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読み書き

読んだものについての覚書

『論理哲学論』(中公クラシックス)ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン(著)、山元一郎(訳)

ここで案出されている独自の論理学的術語にはまずどうしてもなじみ難い。とくに論理式はほぼ全く解らずと言ってよい。
個人的な読みとして、やはり「世界」という(それ自体はそうとしか言いようもないような)実体を基盤にしてしか、その鏡像としての論理学はあり得ないという直観は分かる。いわばそれ自体は語り得ない〈世界〉という実体を紐帯とすることでしか、人間同士のコミュニケーション(語り得ることの営み)もあり得ないということ。ただ、恒真命題や矛盾命題は、論理学的には確かに無意義な命題として、その輪郭をこそ限界づけるものかも知れないが、限界づけが“示される”それらの命題を介したコミュニケーションというものも人間同士にないではないとも思われる。それは、「世界」を基盤としているだろうか。